住文化ゼミでは、熱海に合宿に行きました。
現代美術家・杉本博司がデザインした江之浦測候所に行きました。杉本がみかん畑に日本建築から西洋まで様々な建築部材を移築し、名所として形づくっています。
栃木県の大谷石とガラスからなるロングギャラリーが迎えてくれます。卒業論文で大谷石について分析したYさんが解説してくれました。
1月の寒い時期でしたが、温暖な熱海の気候を感じることができました。
園内の様々な場所をめぐりました。思いのほか高低差がありました。
写真の甘橘山春日社は、奈良・円成寺の春日堂を移したものです。
山中にある石仏、古代ローマ円形競技場の入り口のレリーフ、ガラスの舞台、古代建築の礎石、井戸、フランスの石階段・・日本建築と世界の様々な不思議なものをみることができました。
午後は2班にわかれ、来宮神社とブルーノタウト設計の日向邸に行きました。
2日目は、MOA美術館に行き、豊臣秀吉がつくった黄金の茶室の復元を見ました。金と赤のコントラストが斬新な印象がありました。
江戸時代の『燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)』(根津美術館蔵)などで知られる尾形光琳が住んだ京都新町二条の光琳屋敷をもとに、通り土間のある京町屋の構造について学びました。
次に、熱海三大別荘として知られる実業家・根津嘉一郎の別荘であった起雲閣に行きました。大正時代の建築であり、和風と西洋建築が融合した和洋折衷住宅になっています。ステンドグラスが美しいサンルーム、床のタイル、ローマ風の浴場など、時代を感じさせる華やかな建築にふれることができました。卒業論文でティファニーのステンドグラスを研究したSさんにデザインの特徴について説明していただきました。壁紙は、金の革をはった唐紙を使用しており、昨年に行った上野の旧岩崎邸に使われた金唐革紙と似ていることを話し合いました。
夜は、横浜中華街の関帝廟を見学しながら、食事をしました。
2日間で、様々な国や時代の建築やインテリアのデザインにふれることができました。
写真は月夜の熱海サンビーチの様子です。熱海は新旧の文化が入り交じり、気候としても暖かい良いまちであることをあらためて感じた2日間でした。
(M)