ライフデザイン学科 研究室ブログ LABORATORY BLOG

2022年度 京都・若狭プロジェクトの実施(その2)
2022年12月23日

 

<2日目>

 

◇若狭町モニタープロジェクト

 2日目からは、場所を福井県若狭町に替え、ここでの風景、街並み、寺社や食べ物、土産物などの観光体験をさせていただきながら、「経験価値マーケティング」の観点(感覚、情緒、知的関心など)や「ご当地性」、ライバルとの競争力の強弱という観点から都市部に住む若い女性の代表として私たちが細かく評価し、それを今後の観光振興策の参考にしていただくプロジェクトが始まります。以下、観光体験の一部を抜粋してお話したいと思います。

 

 私たちは、まず琵琶湖の北側を通って敦賀駅へ移動しました。敦賀は2024年春に北陸新幹線の終着駅となる駅です。敦賀からは、三方「五湖」をぐるっと「一」周できる、観光に便利な路線バス「ゴコイチバス」に乗って移動しました。三方五湖は、福井県三方郡美浜町~三方上中郡若狭町にまたがって位置する5つの湖海水、汽水、淡水へと5つの湖それぞれに水の色が異なるとのことですが、その色合いを表現しているバスでした。

 

 このバスに乗って、この5つの湖を望むことができる絶景スポット「レインボーライン山頂公園」へ向かいました。

 

◎レインボーライン山頂公園

 バスの停留所からちょっとスリルのあるリストを上った山頂は、天気も良く、三方五湖だけでなく日本海も一望できる360度ビューが楽しめ、その素晴らしい景色と解放感にゼミ生一同、大興奮でした!

 「レインボー」は、三方五湖の青(5色)+日本海の青+空の青という、合計7色の、色合いが異なる「青」を一望できることがその名の由来です。

 足湯やソファーテラスなどがあり、景色をゆっくりと楽しむことができます。

 さらに、限定ソフトクリームや、若狭の名物「鯖」を使ったサバサンドなどグルメも楽しめます。

 

 恋人スポットもありました。若いカップルもちらほら・・・

 こういうわけで、若狭町での1日目は、初っ端から大盛り上がりでした!

 

◎福井県立若狭歴史博物館

 レインボーライン山頂公園の後は、若狭町の歴史や文化について学びを深めるために、福井県立若狭歴史博物館(小浜市)に行きました。

 若狭といえば「鯖街道」が有名です。若狭湾では油ののったよい鯖が獲れましたが、鯖は足が早いため生の状態で京に届けることはできず、塩をして牛馬や人力でいくつものルートを通じて、いずれも約18里の道のりを運んだとのことですが、京に着くころにはちょうどいい塩梅で塩味がついていてこれが都人の好評を博したと言われています。

 また、かつての若狭は塩づくりも盛んな地域であり、ここで作られた塩が都に運ばれていました。奈良時代の木簡(荷札)にはそのことがはっきり記録されていますし、若狭町の地名にも「塩」のつくものが多く、その歴史をとどめています。

 この施設を通して、若狭と奈良や京都といった都との食のつながりについて知識を深めることができました。

 

◎御食国若狭おばま食文化館

 続いて、小浜市にある「御食国若狭おばま食文化館」で、若狭の食文化についてさらに学びを深めました。館の入り口では人形の魁十八(さきがけ とおはち)さんがお出迎えしてくれていました。十八というのは、若狭から京都までの距離、約十八里(約72km)に掛けたダジャレです。

 館内には、鯖の発酵食品の代表である「へしこ」や「なれずし」といった若狭ならではのものが、食品サンプルとして展示され、その作り方の詳しい説明書きがありました。「へしこ」とは、魚を塩と糠で漬けこんで作る 魚の糠漬けのことです。私たちも実際に食べさせていただきましたが、かなり塩辛かったです。若狭の方々から、ご飯のお供として食べると、塩加減が薄まって食べやすくなるとのご助言をしていただきました。また「なれずし」とは、米と生の魚を乳酸発酵させた鮨のことです。酢を使わないで酸味を生み出す「鮨の原点」だそうですが、ここでの「なれずし」はすでに発酵させた「へしこ」を使うという点で他の地域では味わえない、貴重なもののようです。

 

「へしこ・なれずし」の作り方は以下の通りです。

  ①春鯖(4月~6月もの)を背開きにし、11か月ほど塩漬けにした後、ぬか漬けにする。

  →ここで「へしこ」の完成!

  ②へしこにした鯖を水洗いし、薄皮を剥いだ後、水に浸し塩抜きをする。

  ③鯖に飯と麹を挟み、桶に2週間ほど漬ける。

  ④「なれずし」完成!

 

 こちらにも鯖料理の食品サンプルがたくさん並んでいて、見ていて面白かったのはもちろん、関東周辺では滅多に見られない鯖料理の種類の多さに圧倒されました。