市川 博
専攻分野
情報論、人間情報科学、図書館情報学
オフィスアワー
通年【火曜3限】
中川まり
専攻分野
家族社会学、家族関係学、ジェンダー社会学
オフィスアワー
前期【金曜4限】 後期【月曜2限】
李 憲
専攻分野
民法、家族法
オフィスアワー
前期【水曜3限】 後期【火曜日5限】
柴山 真琴
専攻分野
発達心理学、文化心理学、質的研究法
オフィスアワー
前期【火曜5限】 後期【月曜4限】
貞包 和寛
専攻分野
社会言語学、言語政策論、ポーランド研究
オフィスアワー
前期【金曜3限】 後期【水曜3限】
宮田 安彦
専攻分野
生活経営学・地域生活文化論、余暇生活論、ツーリズム論等
オフィスアワー
前期【水曜3限】 後期【火曜2限】
須藤 良子
専攻分野
工芸デザイン、染織史、美術史
オフィスアワー
前期【水曜3限】 後期【火曜3限】
林原 泰子
専攻分野
デザイン史、デザイン文化論
オフィスアワー
通年【月曜2限】
赤澤 真理
専攻分野
住居史、住文化論、インテリアデザイン
オフィスアワー
通年【月曜5限】
甲野 毅
専攻分野
環境教育学、造園学
オフィスアワー
前期【水曜4限】 後期【火曜3限】
小関 右介
専攻分野
生物環境保全学、生態学
オフィスアワー
前期【火曜5限】 後期【火曜3限】
共同研助手
中村 志保
鈴木 薫子
渡邊 真夕
学生対応時間
10:00〜16:00
市川 博ICHIKAWA Hiroshi
専攻分野 | 情報論/人間情報科学/図書館情報学 |
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担当授業科目 | 生活情報論/情報とコミュニケーション/ゼミナールⅠ・Ⅱ/コンピュータ応用/図書館サービス概論 |
研究テーマ | HCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)に関する研究/授業におけるeラーニングの活用 |
情報系の授業を担当します。生活や仕事の中でコンピュータをはじめとする情報機器をどのように生かしていくかを考え、その活用の方法をコンピュータの実習を含めて学びます。
私たちは生活や仕事の中で、情報を収集して処理して発信していく活動を常に行っています。 例えば、携帯電話を新しく買い替えたいときには、カタログを見て新しい機能を調べたり、友達の評判を聞いたり、インターネットで調べたり、お店の人に聞いたりしながら情報を集めます。 集めた情報から値段や機能を比較します。その結果から、最終的に一つのものを購入するという情報の収集・処理・発信というステップを行っていることになります。 企業の活動では、このステップを効率的に効果的に行うことが大変重要になります。それぞれのステップでコンピュータやインターネットなどの情報技術を効果的に使うことを考え、身に付けていきます。
情報の収集・処理・発信というステップはコンピュータの利用以外でも考えることができます。 人間も含め生物は生きていくために外部の環境から情報を収集して、食べ物を見つけ、危険を察しそれを避ける行動をします。 効率的な情報処理の仕組みを持った者だけが、環境に適応して生き残っていくことができます。このように情報をコンピュータ利用以外からも考えることで、その本質を理解していきます。
「人間情報科学研究室」です。人間が「情報」を利用して生活を豊かにしていくことについて、様々な観点や方法で学んでいきます。
たとえば、日々の暮らしの中で、日用品や道具などを使用する際に、私たちがその「モノ」の発する情報を理解するときに生じる問題(この蛇口を押すのか、引くのか、と戸惑った経験はありませんか?)など、身近な例から「情報」について考えてみます。また、コンピュータやインターネットをはじめとする情報技術(IT)を使いこなし、必要な情報を取捨選択し、整理し、自分の必要な情報を適切に加工できるスキルを身につけることも、重要なテーマです。
中川まりNAKAGAWA Mari
専攻分野 | 家族社会学/家族関係学/ジェンダー社会学 |
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担当授業科目 | 家族社会学/コミュニティと福祉/家族関係論/ゼミナールⅠ/ゼミナールⅡ/ライフデザイン演習Ⅰ(量的調査法) |
研究テーマ | 家族と仕事における性別役割分業をテーマとして、父親の育児・家事参加、母親の家事・子育てのゲートキーピング、母親のキャリア形成、ワーク・ライフ・バランス、インターネットと家族関係、高学歴女性のウェルビーイングなどについて研究 |
ライフデザイン学科の専攻科目では、家族と社会、コミュニティとの関係性についての講義と質問紙調査やデータ分析などの演習科目(「ライフデザイン演習Ⅰ(量的調査法)」を担当しています。この他に家政学部共通科目では、「家族関係論」を担当しています。
1年次「コミュニティと福祉」では、福祉社会学の基礎知識について学ぶとともに、家族が多様化している現代社会における地域(コミュニティ)の役割・福祉について、「地域で支えあう」、「ネットワークで支え合う」ことの実際と意義を学びます。
3年次「家族社会学」では、家族社会学の基礎知識を学ぶことを通じて、家族におけるケア、家族の多様化と性別役割を柔軟に捉えることの必要性、少子高齢化、子育てと子どもを取り巻く環境などについて学び、考えていきます。晩婚化、未婚化、家族の多様化および少子高齢となった社会におけるケアや福祉が、どのような課題に直面しているのか、格差や貧困も視野に入れ、学生の皆さんが自分の視点をもって家族と社会に向き合い、考える力を養います。
対面・双方向型の授業では、授業での学びを通じて、他者に意見を伝え、他者を理解するコミュニケーション力、また論理的思考力なども養います。
私の研究室は、「家族社会学研究室」です。「家族社会学」を基礎として、現代社会における女性と結婚、家族とジェンダー、社会や労働との関係などの問題について、文献から学び、実際に調査を行って研究をします。2021年度より前任の先生よりバトンを受け、スタートした研究室ですが、ゼミでは、「ジェンダー視点をもって、学び、考えて、話そう」をモットーにしています。ゼミ生には、ゼミでの学びや研究を通じて、日頃の生活や社会に対して社会学的視点から問題意識をもち、女性が生きやすい社会を実現するにはどうあるべきかを提案できることを期待しています。4年次の卒業論文では、インタビュー調査、データ分析などの方法を取りいれ、論理的思考や分析スキルを身に付けます。
李 憲LI Xian
専攻分野 | 民法/家族法 |
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担当授業科目 | 市民生活と法/家族法/青少年と法/消費者と法/ゼミナールⅠ/ゼミナールⅡ |
研究テーマ | 離婚制度における女性の権利保障/養子縁組制度と子どもの最善の利益/日中韓比較法 |
ライフデザイン学科では、「市民生活と法」、「家族法」、「消費者と法」、「青少年と法」など、法学系の講義を担当しています。
私たちはそれぞれ孤立して生活しているのではなく、様々な人間関係(社会)の中で(家庭生活、学校生活、職場生活、地域生活などの)市民生活を営んでいます。そして、「社会あるところに法あり」という古くからの法格言が表すように、市民生活を行ううえで、様々なルール(法)が必要とされ存在しています。つまり、社会の中で法が生み出され、法の作用を受けながら社会が変容していくわけですが、社会の仕組みと法の役割を理解することは、私たちが理想のライフプランを構想し実現していくうえでも非常に大切であるといえます。また、人ぞれぞれの真に豊かなライフスタイルが保障される社会を実現するためには、現代社会が抱える諸課題を直視し、法の観点からその要因と解決策を考えることが必要不可欠となります。
「市民生活と法」(1年次)では、市民生活と法の関わり方について、「契約と法」、「不法行為と法」、「家族関係と法」、「労働と法」、「環境と法」、「裁判と法」の六つの視点から概観します。そして、そのうちの「家族関係と法」の部分をより深めるものが「家族法」(2年次)で、子どもの権利保障の観点から「市民生活と法」の内容をより深めるものが「青少年と法」(3年次)となります。また、「消費者と法」(3年次)では、消費者社会に潜む危険性や紛争リスクを理解し、その予防・解決方法を学びます。
生活と法研究室では、(特に女性が)日常生活を送る中で遭遇し得る様々な紛争リスクを理解し、法的な問題解決力と法的思考力を身につけることを第一の目的とします。そのうえで、(ドメスティック・バイオレンス、母子家庭と子どもの貧困、男女の賃金格差、職場におけるハラスメント、児童虐待など)女性と子どもの権利保障に関わる現代社会の諸課題に焦点をあて、法律の観点から改善策を考察していきます。
課外活動としては、裁判所見学・裁判傍聴、模擬裁判などを適宜に実施し、裁判の基本的な流れを習得します。また、定期的に他大学と合同ゼミを実施し、政策提案型ディベートなどを行うことで、社会の諸課題に対するアプローチの多様性を体験します。
柴山 真琴SHIBAYAMA Makoto
専攻分野 | 発達心理学/文化心理学/質的研究法 |
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担当授業科目 | 担当授業科目 1)学部担当:「生涯発達心理学」「家族心理学」「家族の民族誌」「人間の成長と心理」「ライフデザイン演習Ⅱ(質的調査法)」「ゼミナールⅠ・Ⅱ」 2)大学院担当:「生涯発達心理学特論」(修士課程)「発達臨床学特論」(博士課程) |
研究テーマ | 日系国際児のバイリテラシー形成過程(特に継承日本語作文力の発達過程)の解明/独日バイリンガル児の継承日本語での書く力を伸ばす「国語教科書活用法」の開発/多様な言語的背景をもつ日本語学習児のリテラシー構造の解明 |
ライフデザイン学科の専攻科目のうち、個人と家族・社会・文化に関わる心理学系の講義を担当しています。
具体的には、「生涯発達心理学」では、人間の生涯にわたる発達過程について概観し、家族・社会・文化の中での人間発達を理解するための基礎知識を提供します。 「家族心理学」では、変動する社会と共振しながら形成される家族関係の様相や相互影響的な家族成員の心理過程について解説します。 この他に、「家族の民族誌」「人間の成長と心理」「ライフデザイン演習Ⅱ(質的調査法)」も担当しています。
私の研究室は、「文化・発達心理学研究室」です。「文化心理学」と「発達心理学」を基軸にして、日常実践で繰り広げられる共同行為過程や実践に脈打つ規則性を解明することに取り組んでいます。主要な研究方法として、実践の場に参加しながらデータをとるフィールドワーク(参与観察とインタビューの併用)を採用しています。方法論については、拙著『子どもエスノグラフィー入門』(新曜社刊、2006)に詳しく解説してあります。
これまで人の発達過程や心的過程(思考・感情・動機づけなど)は、普遍的なものと考えられてきましたが、日常生活の中で、特定の慣習や集合的意味の体系に適応することを通じて形成される文化固有のものであることがわかってきました。同時に、文化適合的な個人や集団によって文化が維持されたり変容されたりする側面もあります。自己についての考え方や夫婦関係・親子関係の持ち方も、文化的構築物に他なりません。例えば、他者との関係で自己を規定・表出することや夫婦関係よりも親子関係が優先されることなどは、日本では「当たり前のこと」ですが、欧米では必ずしもそうではありません。その実践に参加する人々にとっては当たり前でしかないルーティンや慣行という隠れた次元の特徴を知ることは、日常実践に潜む問題を探し当て、適切に変革していく上でも、大変に貴重なことだと思います。
<「文化・発達・実践」+フィールドワーク>という道具箱を携えて、身の回りの日常実践を一緒に探検しましょう。きっと「面白くてためになる発見」があるに違いありません。
貞包 和寛SADAKANE Kazuhiro
専攻分野 | 社会言語学、言語政策論、ポーランド研究 |
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担当授業科目 | ポピュラー・カルチャーの国際比較/ライフデザイン基礎演習A・B/ゼミナールⅠ・Ⅱ/暮らしと政治/ポピュラー・カルチャーの世界/生活と映像/暮らしとメディア |
研究テーマ | 言語と政治・政策の関係性/マイノリティ言語(少数言語)に関する研究/国家による言語の位置付け |
【ライフデザイン基礎演習】
大学でレポートや論文を書くための基礎的な技術を学びます。大学の授業では文章での意見表明を頻繁に求められますが、この意見表明は単に自分の考えを書くのではなく、その考えに至るまでのプロセスがもっとも重視されます。また、出典(自分が参照した資料)をきちんと示すことも重要です。
【ポピュラーカルチャーの国際比較/ポピュラーカルチャーの世界】
映画、アニメ、マンガなどのコンテンツを中心に考察します。ポピュラーカルチャーは「大衆文化」とも呼ばれるとおり、社会に広く普及している文化です。ポピュラーカルチャーを分析することで、特定の国や地域に独自の社会観・人間観を明らかにしていきます。
【暮らしと政治】世界の様々な国家の事例を見ながら、私たちの日常生活と政治との結びつきについて理解を深めます。政治を見る側面には様々なものがあるが、本授業では特に移民やマイノリティ(少数派)の存在に着目し、マジョリティ(多数派)の位置付けの問い直しを行っていきます。
【生活と映像】
生活と社会の関係性をドキュメンタリー映画・ドラマを鑑賞しながら学び、文化に関する教養を広く身につけます。また、映像作品を単に眺めるものとして捉えるのではなく、批判的・客観的に分析する素材として扱う方法論についても考えていきます。
【暮らしとメディア】
現代社会に見られるメディア(媒介)を分析し、情報がどのように伝達されるか、それが私たちにどのような影響を与えているかについて考察していきます。また、メディアの発展史、メディアを通じたコミュニケーション、メディアと社会の関わりについても考えていきます。
国際生活文化研究室では、外国の文化や社会について調べて発表し、それを基盤として、自身が属する文化や社会(多くの方にとっては日本だと思います)を相対的に見つめ直すことを目標としています。ある国家や地域の文化や社会を調べるときに重要なことはいくつかありますが、さしあたって以下の 2 点がとくに大事なことかと思います。
1. 視点をきちんと定める
単に「◯◯国の文化・社会」という視点で調べても、調べる範囲があまりに漠然としているために実態がつかめないことが多いです。そのため、「映画」、「文学」、「宗教」、「食生活」など、何を調べるかを明確にすることが重要です。
2. 先入観にとらわれない
人間である以上あらゆる先入観から自由になることはできませんが、自分の知らない国や地域の事例を「好き/嫌い」で判断することのないよう、注意が必要です。先入観に(できるだけ)とらわれないようにするためには、多くの事例を知り、学ぶことがもっとも有効です。
宮田 安彦MIYATA Yasuhiko
専攻分野 | 生活経営学(含、生活文化論、地域文化論、余暇生活論)/経営学(観光地経営論) |
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担当授業科目 | 生活経営学(1年次)/ライフデザイン学総論(1年次)/生活史(2年次)/スローライフ論:生活の哲学と実践(4年次)/CDP(キャリア・ディベロップメント・プログラム)Ⅰ・Ⅱ(全学共通科目キャリア科目、1・2年次)/ゼミナールⅠ・Ⅱ(3・4年次) |
研究テーマ | 地域性・「場」の意義、文化のオーセンティシティ(真正性)の問題/観光振興がもたらす地方の生活文化の独自性、地元住民の地域文化に対する再認識への影響/家事労働の意義の再評価/余暇の質的側面の明示化 |
「ライフデザイン学概論」
日本は世界に冠たる経済大国ですが、近年、少子化、過労死、自殺、うつ病の増加、老人の孤独死、家庭内暴力、児童虐待、近隣関係の希薄化など多くの社会的問題を抱えるようになってしまいました。また和の文化の衰退、景観の悪化などの文化的な問題も抱えています。さらに、経済大国を目指す過程で、エネルギーを大量に使い、廃棄物を大量に排出し、これによって引き起こされた地球環境問題は深刻な状況に至っています。 このような問題は、私たちが経済的豊かさや利便性をもっともっとと求めてきた結果引き起こされたものである以上、最終的には、政府や企業ではなく、私たち一人ひとりが自分のライフスタイルを変更することによってしか解決できないでしょう。
この授業では、以上のような問題意識に立ち、21世紀にあるべきライフスタイルについて考え、以ってライフデザイン学の枠組みを整えます。履修者は、この枠組みと問題意識をもって、より深い個別の学びに進んでいきます。
「生活史」
ライフデザインの理念である、これからの日本人のライフスタイルのあるべき姿を考え、そこに到達する方法論を考案するためには、まずもって、これまでの私たちのライフスタイルがどのように変化して今日に至っているのか、それはどのような要因によってそうなってきたのかを考えなくてはなりません。原因分析のない提案は単なる思いつきになってしまいますし、実現性のある提案を行うためには、今後も変わらないものと変えられるもの(可変要因)を見極めておかなければならないからです。
そこでこの授業では、江戸時代から平成時代に至るまでの、衣食住および余暇(旅行)の変遷をたどり、またその変化に大きな影響を与えた社会的環境、すなわち産業と交通の発展について学びます。
専攻分野
ライフマネジメント研究室は、「コト」のデザインによる「文化的な生活プロデュース」をテーマとする領域横断型のゼミです。生活の中の課題に対して、人―モノ、人―「場」、人―(伝統)文化の関係・つながりをリ・デザインすることで解決方法を企画できる人材を養成するのが目標です。その為に、ゼミにおいては、グループワークや議論を通じて視野を広げ、論理的思考(ロジカル・シンキング)やコミュニケーション力を向上させることを重視しています。また、課外プロジェクトを通して、実際の問題解決・企画のための実践力を養うとともに、それを成し遂げた時に達成感を仲間と共に味わいます。
3年次は、地域の観光振興や日本の生活文化とその維持・継承の方法論について、経営学の視点から学びます。その際、テキストから学ぶだけでは不十分だと考え、後述するように実際に地域と提携したプロジェクトを設定し、それを意識することにより、真剣みを増す「プロジェクト連動型学習」を行います。
研究テーマ
日本のそれぞれの地域の風土、伝統に基づいたライフのあり方(生活の美、地方性豊かな生活、余暇生活などのあり方とその実現方法)が研究上の関心事になっています。
(1) 「文化的豊かさ」
和の美、手仕事の美など、「真の豊かさ」の中でも特に「文化的豊かさ」の把握に関する研究
(2) 各地のローカルな生活文化
各地の衣食住をはじめとする生活文化の風土・歴史的な形成要因の研究。
(3)観光、地域おこし
伝統的街並みや食文化の維持継承とそれを地域資源とした観光の両立の方法についての研究。
(4)脱成長主義、脱グローバル主義の思想
資本主義やグローバル化の問題を克服するための色々な考え方(「定常社会」「デクルワサンス(脱成長)」「成熟社会」「地域主義」)と、これをライフスタイルにおいて実践しようとする、シンプルライフ、スローライフ、トランジション・タウン、パラレル・エコノミーなどの研究。
ゼミナール
ゼミでは、日本の生活文化とその維持・継承の方法論について、経営学(地域ブランド論、観光・マーケティング論)の視点から学びます。
ポイントは、現象の理解にとどまらず、それをマネージしようとする(解決方法を考える)ことです。そのためには、まず一つの問題をいろいろな視点からみることが必要なので、みんなで議論しながら視野を広げる訓練をします。そして、論理的に解決策の提案を行うために「なぜそうなったのか」を深く問いながら、原因分析についての思考力を養います。
課外活動
このゼミでは、地域の観光振興を中心とした経営の実践力を磨くための「現場」を持つために、また地方の独自の生活文化、特に食文化を体験するために、正規のゼミ時間外で行う課外プロジェクトを積極的に推進しています。春夏のゼミ合宿の他、地方自治体やNPO・企業と提携して学生主体の地域連携プロジェクトを実施します。
これまでに、伊豆の観光地を実際に体験して評価をする「伊豆『経験価値』調査」、中越地震からの復興事業の一貫としての新潟県長岡市の都市農村交流事業への参加、刃物づくりで有名な新潟県三条市の魅力発見ツアー、東北大震災復興支援のため東松島市への取材とパンフレットの作成、若狭湾連盟主催の「若狭路モニターツアー」参加、若狭町漁師町の振興を応援する「常神半島活性化プロジェクト」などを行いました。
また「“和の暮らし”推進プロジェクト」と称して、和文化の継承・発展の実践に関わる活動をしています。まず、日本酒普及促進団体と提携して若者に日本酒の魅力を伝えると共に、各地域の豊かな食文化をアピールするために日本酒カクテル「ご当地カクテル」を開発、展示・販売するプロジェクトを定例化しています。これまでに「十日町カクテル」「栃尾カクテル」「伊豆カクテル」「若狭カクテル」「坂井カクテル」「熊本カクテル」(熊本大地震復興)、「伊賀カクテル」「甲賀カクテル」「ちちぶ皆野カクテル」などを開発してきました。
さらに、最近北前船の寄港地と船主集落が日本遺産に登録されたことをきっかけとし、一般社団法人北前船交流拡大機構と提携し、「北前船」を渋谷の若者にアピールするプロジェクトを行ったほか、春に大阪を出航し、冬前に戻る北前船の航海の軌跡を表現した「北前船カクテル」を開発し、日本酒イベントで提携して好評を博しました。
こうしたプロジェクトは、それによってゼミとして社会貢献するとともにゼミ生が日本各地の生活文化を学ぶよいきっかけになっていると思います。
須藤 良子SUDO Ryoko
専攻分野 | 工芸デザイン/染織史/美術史 |
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担当授業科目 | エコロジカルライフ論/生活と工芸/工芸デザイン演習/エコロジカルライフ演習/美術の世界/ゼミナールⅠ・Ⅱ |
研究テーマ | 琉球紅型、日本とアジアの染織技法・文様比較、日本およびアジアにおける伝統工芸の現状比較、エジプト・コプトの織物に関する研究など |
工芸に関する講義では「工芸とは何か?」という基礎的なことを学びます。手仕事によって作られる工芸品には長い歴史と生産される地域性が現れます。自然の素材を生かして、手間暇をかけて作り出された造形美は、日本の「ものづくり」の原点です。その「ものづくり」について、素材や技法などからもアプローチします。また現代の工芸が抱える問題点なども考えます。
演習では、実際に手を動かしてものを作ります。織や刺繍、染色など布を使ったものづくりを中心に進めます。1つの工芸品が出来上がるまでにどのくらいの工程を経るのか、素材について、技法について手を動かして学びます。
共通科目の美術の世界については、基本的な美術史の通史を学び、ヨーロッパと日本、アジアそれぞれの美術を比較します。地域や文化が違うと美術はどのように変わるのか、または同じ要素を含むのかなどについて考えます。人によっては難解な現代美術についても取り上げ、現在のアートシーンについて講義します。
工芸とは、私たちの身の回りにある「グッズ」ととらえて良いでしょう。食事をする食器、大好きな洋服、使い勝手の良いステーショナリーなどなど。身の回りの「もの」すべてが工芸です。
工芸デザイン研究室では、大昔に人類が作り出してきた造形物から現在のグッズまで、その「歴史」と「作られた背景」について学び、現在の生活に必要とされる形(デザイン)や素材などについても学びます。また、近年ではファストファッションや100円均一など「もの」が大量に作られ大量にゴミを排出する問題が生じています。
美しい生活とは、豊かな生活とはなにか、「工芸」を通して学びます。
3年生のゼミでは、柳宗悦など現在の日本の工芸を定義付けた先人の考えを学び、ヨーロッパのクラフトマンシップについても文献を中心に読み解き、意見交換をします。また「地域の工芸品を調べる」というテーマで、各自興味のある、各地域に根差した工芸品について調査を行います。調査対象となる「もの」が生み出された背景などの歴史、現在の状況、今後の展望など、生産者にインタビューを行う方法で工芸品についての理解を深めます。現在の日本で望まれている「工芸」とはどのようなものなのか、自身の足で調査した結果をまとめます。
4年生では卒業論文を書きます。3年生の冬までにテーマを決め、4年生で本格的に書き始めます。卒業論文は4年間学んできた成果を示す重要なものです。各自が悔いのない内容に仕上がるよう指導をします。
林原 泰子HAYASHIBARA Yasuko
専攻分野 | デザイン史/デザイン文化論 |
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担当授業科目 | 感性教育B(造形表現)/現代デザイン論/生活と色彩/プロダクトデザイン演習/グラフィックデザイン演習/ゼミナールⅠ・Ⅱ |
研究テーマ | 家電製品(電気洗濯機)の成立と普及/デザイン教育の歴史/3Dプリンタを活用したデザイン教育プログラムの開発 |
学科の多様な学びのなかで、「感性教育B(造形表現)」「プロダクトデザイン演習」「グラフィックデザイン演習」などの造形デザインに関する演習ならびに、「現代デザイン論」「生活と色彩」などの生活文化とデザインとの関連性を取り上げる講義とを受け持っています。
演習では、豊かな暮らしにつながる「もの」を具体的に提言するための基礎的知識と技術の習得を主たる目的とします。実際に手を動かしたり、各種デザインソフトウェアを利用したりしながら、ものづくりの現場では、どのようなことが意識、検討され、どのような過程を経てあたらしい「かたち」が作られているのかについて学びます。
講義では、現在私たちの生活を取り巻く多種多様な「もの」に目を向け、それらの歴史的変遷と生活との関わりについて学びます。現状を無批判に、あるいは絶対として受け入れるのではなく、身近な「もの」の色やかたち、機能、使われ方などが適切であるのかについて、改めて考えることができるようになって欲しいと考えています。
演習、講義を通じて「もの」の持つ魅力と必要性について理解したうえで、本当に必要な「もの」について考えていきましょう。結果として、これまでと異なる「かたち」へのアプローチや、「かたち」を変化させない、あるいは「もの」自体を作らない、というデザインが見えてくるかもしれません。
「デザイン文化研究室」では、身の回りのさまざまな「もの」のデザインを中心として取り上げ、歴史的背景をふまえたうえで生活文化という視点から考察を行っていきます。
例えば、みなさんの生活に欠かせないスマートフォンひとつとっても、いつ頃どのように成立したのか、どのようなデザイン展開がみられたのか、どのような時代背景が普及に影響したのか、それによって私たちの生活がどのように変化したのか…、と多様な視点から考察することが可能です。
便利な「もの」があふれる現代において、私たちの生活が「もの」に制約されているという側面はないでしょうか?明治、大正、昭和、平成そして令和へと時代が変化する中で、近代的生活様式と「もの」との関係性を「豊かさ」を軸として理解し、より良い「ひと」と「もの」との関係について考察して行くことが、私の研究室における大きなテーマとなります。
赤澤 真理AKAZAWA Mari
専攻分野 | 住居史/住文化論/インテリアデザイン |
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担当授業科目 | 住居学概論/居住文化論/インテリアデザイン演習Ⅰ/インテリアデザイン演習Ⅱ/ゼミナールⅠ/ゼミナールⅡ |
研究テーマ | 物語絵に描かれた住空間・住まい方・住宅観/日本の住まいを彩るふすま・調度による空間演出/地域における伝統的住まいの展開と継承 |
私が担当するのは、住居とインテリアに関する授業と演習です。住まいにはどのようなことが求められるのでしょうか。
住居は、雨風や危険から身を守り、家族生活を営み、接客や余暇を楽しみ、心身を癒す場でもあります。東アジアのなかの日本には、北方と南方から住居形式が伝わってきました。明治時代以降に、椅子式の生活が定着しますが、平安時代以来、靴を脱ぐ文化が好まれ、今日でも受け継がれています。
「住居学概論」では、日本の風土と文化を基に形づくられた、住まいの変遷を学んでいきます。住宅のつくり・デザイン・機能といった基礎的な知識とともに、家族のかたち、集合住宅、高齢化社会など、新しい動きにも目を向け、住まいを考える要件とはなにか、みなさんにとって、さらに社会にとって、あるべき理想の住まいとは、どのようなものなのかを選び出すきっかけになることを目指しています。
「居住文化論」では、世界の風土と文化がつくりあげた石造や木造の住まいのしくみを学び、機能性を求めたモダニズムへのながれを理解します。世界の住まいをふまえ、日本の居住文化の源流にある、四季のしつらいと美意識、床の間やふすま、畳などの和室のなりたち、茶道の心と数寄屋の世界、地域の文化が凝縮された民家の魅力などに迫っていきます。
「インテリアデザイン演習Ⅰ・Ⅱ」では、インテリア空間を描くための基礎的な製図方法を習得するとともに、前期ではダイニングルームのデザインをします。後期では川辺にたつ居心地のよい理想のカフェを設計します。図面とともに、立体の模型で表現します。
住文化研究室では、インテリアから住居、まちなみまでを対象に、住居にこめられた人々の生活様式や考え方、住まいに求めた理想像などを探求しています。伝統的住まいを受け継ぐ方法や、現代における住まいをめぐる動向にも目を向けています。
研究室では、住まいを知るためのさまざまな資料、女性の手による古典文学や日記、人々の暮らしを描いた絵巻物、建築や生活を写した古写真やインテリア雑誌、そして、今日に受け継がれた住まいの空間をみていきます。感性の豊かな大学生の時に、さまざまな国や時代の住空間の魅力にふれてみましょう。
ゼミでは、住居とインテリアに関する文献講読とともに、名作住宅の模型の製作などの実習や、伝統的住居、美術館やインテリアメーカーの見学など、現地調査も実施しています。
3年生後期から4年生を通して、各自の問題関心に基づいて、住文化に関する卒業論文に着手していきます。
甲野 毅KOUNO Tsuyoshi
専攻分野 | 環境教育学/造園学 |
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担当授業科目 | 日常生活と環境/地域社会と環境/都市と公園/NPO・市民参加論/環境教育・思想論/自然体験論Ⅰ/自然体験論Ⅱ/ゼミナールⅠ・Ⅱ |
研究テーマ | 環境行動を促す環境教育のあり方/緑地保全活動の精神的・心理的効用/主体的緑地保全活動に関する検証/熱帯林の動向 |
ライフデザイン学の主要な3つの領域の内、主に自然環境の領域に関する講義を担当しています。授業は体験を通して学ぶ自然体験と講義の2つの形式があります。
自然体験形式の授業では都市から離れた里地・里山が授業の場所となります。そこで様々な活動を通し、環境と人間社会のつながりを認識すること、自然の中で感性を豊かにすることなどを目的に授業を展開していきます。
講義形式の授業では環境に関する知識から、実際の問題解決のための手法や考え方の修得を意図して5つの講座を展開していきます。
まず「日常生活と環境」では、身の回りの事象を対象に、「地域社会と環境」では、多くの人々が暮らす都市を対象に、環境(問題)を考察し、現状を認識、理解することを目指します。そして一人一人が個人として問題を解決するための手法を学習します。「NPO・市民参加論」では、一歩進め、地域住民として問題を解決するための考え方、社会環境をより良くするための市民の役割について学習します。また「環境教育・思想論」では先人の思想を学びながら、自分なりの環境思想を構築すること、そして自分が理解するだけではなく、身の回りの人々や地域住民を環境行動へと促す手法の修得を目指します。さらに「都市と公園」では、私たちにとって最も身近な都市公園を題材に、ものをデザインする手法や考え方を学びます。
以上のように私の授業では、環境(問題)を認識することから始め、知識を修得し、それらに対して興味・関心を持ち、問題解決のために自分が行動すること、そして最終的には人々の環境行動の促進を図ることまでを目標としております。
環境教育学研究室では、環境教育により人々を、環境と共生させる手法や考え方、その結果の地域社会について研究を行いたいと思います。
環境問題が顕在化してから長い時間が経過していますが、人類はそれらを解決できないばかりか、一層問題が深刻化しています。このような状況に対して、多くの人々は関心を持っていますが、自らは問題解決のために行動しない、つまり意識と行動にギャップがある状態が続いています。第一にそのギャップのある原因を探り、人々を環境に配慮した行動へと促す手法について探求します。そしてその結果、人々または地域社会がどのように変容を遂げるかについて着目していきます。
第二にコミュニティに注目します。人々が生きがいを持ち、豊かな暮らしを実感するためには他人との交流、もう少し広く捉えると何らかのコミュニティに所属することが重要であると思われます。またコミュニティは環境を保全する役割を担います。しかし現在はこれらが崩壊しつつあり、特に都市ではコミュニティをどのように再生または創出していくかが課題と言えます。
実は身の回りのものがコミュニティの形成を促進することがあります。例えば私達が居住している近くにある身近な緑は、場とのつながり感覚を生み出し、コミュニティ感情を生み出すことが知られています。このように身近な題材などを切り口に、コミュニティの再生・創出手法について探求していきたいと思います。
研究対象は都市、街、都市公園、里地・里山、緑地、雑木林、集合住宅、及びNPO・NGO、企業、市民、家庭、学校などが挙げられます。どちらかと言うと都市住民の居住地域に近い場所や馴染みのある組織等が対象になっていますが、森林、自然公園、山村、奥山まで幅を広げ、例えばエコツアーや森林セラピーなどについても取り扱っていきたいと思います。
小関 右介KOSEKI Yusuke
専攻分野 | 生物環境保全学/生態学 |
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担当授業科目 | 生命論/ヒトと生態系/生物環境学演習/農林体験学習/グリーンツーリズム体験実習/ゼミナールⅠ・Ⅱ |
研究テーマ | 生物の生活史/個体群動態/生物群集/環境保全型農業/環境 DNA |
ライフデザインにおける豊かさの要素の一つ、「自然的豊かさ」に関する授業を担当しています。「生命論」では、生命科学の基礎知識、生命倫理の考え方、そして現代の生命(いのち)をめぐる諸問題について学ぶことで、日常生活や社会の中に存在する生命の問題に気づき、考え、行動するための視点を身に付けることを目指しています。「ヒトと生態系」では、ヒトと生態系の相互の関わりについて学び、環境と調和した暮らしを自ら実践するための基礎的要素を養うことを目指しています。「生活環境学演習」では、実験や調査観察を通じて、私たちの暮らしの中や生活の周辺にある生物や自然環境について深く学ぶとともに、科学的なものの見方や考え方を養うことで、生活を捉える視野を拡大させることを目的としています。このほか、「農業体験学習」や「グリーンツーリズム体験実習」といった体験系の授業も担当しています。
河川や水田といった淡水環境にすむ水生生物を主な対象として、生物と環境の相互作用やそれに与える人間活動の影響を探る生態学研究を行っています。主要なテーマは以下のとおりです。
1.離島の淡水魚類群集の動態理解
複数の生物種から構成される生物群集のダイナミクス(動態)は、群集内の種間関係といったローカルな要因はもちろん、地形・気候・環境条件などの地域規模の要因の影響も受けています。このようなさまざまな要因が群集動態にどのような影響を与えるのかを理解するために、佐渡島内の100以上の水系を対象として、水中を漂う生物由来DNA(環境DNA)を用いた河川魚類群集の調査を行っています。
2.水田水域の生物多様性と自然再生
近年各地の水田において、自然再生と地域活性化の両立を目指した「環境保全型農業」の取り組みが進められています。しかし、こうした取り組みが実際に生物にどのような効果をもたらすかについては必ずしも明らかになっていません。本研究室では、稲と魚を同時に育てる農法「稲田養魚(とうでんようぎょ)」について、水生生物群集に対する農法効果を検証し、水田の生物多様性を効果的に保全するためのヒントを探っています。
3.淡水魚の生態と環境保全
川や湖などの淡水生態系は、治水・利水や外来生物の侵入など、人為的改変の影響を最も強く受けている環境の一つです、こうした環境改変が生物に及ぼす影響を明らかにするため、野外調査や統計解析により、魚類の生態に関する調査研究を進めています。
※【 】内はオフィスアワーとなります。
オフィスアワーとは、皆さんが各先生の研究室を訪ねやすいように空けてある時間帯のことです。
勉学上の悩み、将来の進路選択等、様々なことについて先生と気軽に相談できますので活用してください。