1年生の必修科目「ライフデザイン基礎演習Ⅰ(思考・表現力)」という授業の前半に、レポートを提出してもらいます。テーマは「『友だち幻想』を読んで考えたこと」で、自分の経験も含めて、考えたことを記述してもらいます。書式は自由で、A4用紙に手書きまたはワープロで作成してください。分量は1枚以上で何枚でも自由です。詳細は、授業の初めに説明しますので、分からない点はその時に質問して下さい。
学科の教育内容に関わる図書を手に取る前にすべての合格者に手に取っていただきたいのが、以下の著書です。大学での本格的な学びを始めるまえに是非お読みください。
大学で将来やりたいことを見つけるにはどうしたらいいのか、職業に直結しない専門分野の学びはどのようにして将来の役に立つのかなど、高校までの「勉強」とは大きく異なる大学の学びに向き合う心構えを指南してくれる好著です。
ライフデザインとは、「真に豊かな未来のライフスタイルを構想すること」です。理論的な学びは入学後行いますが、以下のような書物を通じて事前にそのイメージを膨らませておくことで、理論の理解がより深まることが期待されます。
これまで日本社会が物質的・経済的に豊かになることを幸せになることと同一視してきたことに疑問を呈し、これからどう生きることが幸せ(「真の豊かさ」)を引き寄せられるのかを模索しています。
心を1点に集中させることや人との交流に時間をかけることなど 現代人のせわしない生き方をスローダウンさせる重要性とその方法を説いた本。私たちがいかに著者の提唱に反した生活を送っているかを反省させられ、なぜこうなっているのだろうかと考えるきっかけを与えてくれます。
アメリカ人の著者が大学時代、パリのある家庭に半年間ホームステイした際、所有するモノの量は少なくても質の高い暮らしをしているホストファミリーの暮らしぶりに感銘を受け、自分のそれまでのライフスタイルについて考えさせられたことが綴られています。
「真の豊かさ」に関係する専門分野の理論は入学後の4年間でじっくり学びますから、事前学習は不要です。しかし、興味があって少し専門的な部分を覗いてみたいという場合は、普段目にすることの少ない事物についての以下のグラフィカルな書物をお勧めします。気軽に目で楽しんでいただけるうえ、視覚イメージをもっておくことが入学後の理論的学習を円滑にしてくれるでしょう。ただし、人と人の交流など目に見えないものもまた「真の豊かさ」には欠かせない要素であることはお忘れなく。
人気スタイリストのインテリア作りのノウハウがまとめられています。使い込まれた古いものがもつ味わい、モノを持ちすぎないことなど、ライフデザインの「豊かさ」に通じるものを感じさせてくれます。
衣・食・住・遊技の生活文化を支えてきた日本全国の伝統工芸品を、画像を交えて紹介しています。現代人の生活の中では機械によって大量生産された日用品が大手を振っているため、手作りの味わいがある工芸品を直接目にすることが少なくなっていますが、日本全国の多種多様な伝統工芸品を一挙にみせられると、一度も手にしたことがないことを惜しいと感じてしまいます。
私たちは建築といえば有名建築家の設計したものを思い浮かべがちですが、そういう芸術的な建築だけが美しいのではありません。むしろ、その地の風景に溶け込むような、その地の気候風土と長い歴史の中で育まれてきた無名の大工や集落の人々によって建てられ住み継がれてきた建築物にこそ、本来的な美しさがあるといえるでしょう。この本はそうした無名の建築に焦点を当てた数少ない書籍です。
商品パッケージやノベルティのデザインで地域を元気にするデザイナー梅原真の作品集。これまで無価値だと思われていた地元の素材にデザインの工夫を加えることでそれに新たな命を吹き込み、応援したい人や企業を元気にできるという、デザインがもつ大きくて不思議な力を感じさせられます。
イギリス人でハーブ研究家のベニシアが京都大原の築100年の古民家で自然と共生しながら営む暮らしぶりを綴ったもの。屋外にあっては緑につつまれ、屋内にあっては古きよきものに囲まれながら、四季折々の手作りの食をゆったりと楽しむことの豊かさを感じさせてくれます。
滋賀県をフィールドとして活動する写真家今森光彦による里山風景の写真集。美しくてやさしい里山の彩りが、木々や草花、それに小さな生き物たちの季節を巡る生の営みと人間の暮らしが重なり合って作られていることに感動(センス・オブ・ワンダー)を覚えます。