児童学科の魅力 SPECIAL

学科長メッセージ MESSAGE

児童学科長 高橋 ゆう子

 駅に向かう途中など、パパやママと手をつないで歩く子どもの姿に出会ったりすると、こちらも心が温かくなる感じがします。お出かけが楽しいのか、手をつないでいるのがうれしいのかわかりませんが、子どもの表情から、安心している感じや愛されている感じが伝わってきます。安心ができる環境があって、子どもたちは自らの力を発揮でき、育っていくと思われます。そのような環境を提供すること、そして学びながら育っていくプロセスを支えることが保育や教育に携わる者には求められます。
 児童学科では、さまざまな専門領域から子どもとともに「いる」「つくる」「生きる」ことを考えていきます。人としての心の育ちのプロセスを見つめながら、子どもへの総合的な理解を深めることをめざします。ただし、「理解する」のは簡単なことではありません。「わかった」と思ったり口にしたりすることも、私たちはよくありますが、子どもの何がどうわかったのかを掘り下げていくと、「よくわかっていなかった」ことがあらわになることも少なくありません。もしかしたら、子どもの「わかった」にも同じようなときがあるかもしれません。子どもはどんなときに「わかった」と心を躍らせるのでしょうか。私たち自身の「わかった」を振り返ってみることと、子どもの「わかった」を考えてみることはつながっているともいえるでしょう。
 子どもを理解するためには、子どもと向き合うだけではなく、子どもと関わろうとする自分自身と向き合うこと、自身を振り返りながら子どもとの関わりを模索することが大切になってきます。そのような機会を提供したいと私たちは考えています。そしてみなさんと「学べば学ぶほど子ども理解は難しい」と感じるプロセスを共有しながら、新たな気づきや学びが得られたら嬉しいです。

児童学科生のある1日 ONE DAY

児童学科の1日
ONE DAY
8:45 登校、1日の始まりです
今日は1限目から授業がある曜日です。この科目は通常教室で行われるので、準備物に忘れ物が無いように気をつけて、教室に直行です。開始5分前には学生証の電子認証で出席手続きを終えれば着席、いよいよ授業開始です。

9:00 1限目の講義が始まりました
この日の1限目は専門科目です。前回示された予習の課題についてグループで話し合っていくと、今日のテーマが浮かび上がりました。毎時間の授業はつながっていて、絡み合いながら、また考えを加えてどんどん深まっていくのです。

12:30 ランチして、昼休み
今日の昼食は、本館2Fの「コタカフェ(kotacafé)」にしました。昼食後は、学内のラウンジやテラスとあちらこちらで、お喋りや楽しそうに談笑をして一休み。

13:00 3限目の講義、開始前に…
午後は別の専門科目です。授業開始まで、今日いっしょにプレゼンをするメンバーと打ち合わせです。調べてきたことをどうやってわかりやすくポイントを押さえて伝えるか。腕の見せどころです。

15:00 4限目の演習は模擬授業?!
この日の4限目は、専門科目で模擬授業を行ないました。実際の児童を前にした授業とはひと味ちがいますが、〈だれかに教える〉ということは、いざやってみると思った以上にむずかしい。みんなの笑顔に救われながら奮闘中。

16:20 放課後、課外活動へ
今日は4限で終わり(~16:10)の日。授業終了後に友だちと待ちあわせたら、サークル活動へと向かいます。一日の学びが終わった充実感もひとしおに、仲間と好きなことに向き合う時間は格別です。

毎日の時間割は、曜日によってさまざまです。
午前だけの日、午後からの日、あいだに空き時間がある日、それぞれにうまく時間を使って、
予習・復習、ボランティアや支援活動など、充実した毎日が続きます。

実習を軸にした学び PRACTICAL TRAINING

多彩な実習科目や実習科目に学ぶ4年間
「自分と」「他者と」「社会と」そして「多彩な問題と」向き合う4年間の学びが設定され、多彩な専門科目の学びを通して、子どもが主体的に生きていくことを支える保育者・教育者を目指します。
児童学専攻

保育士、幼稚園教諭を目指す

1年次

「子どもとからだ」
「心が動く」から、ヒトはその心が動いた対象に興味を持ちます。興味を持てば、それをもっと知りたくなったり、そのことが更なる興味を生みだしたりします。また、そうした体験を他者に伝え、共有したくなるのです。だからこそ、子どもの育ちに関わろうとする大人には、「理解」以前に子どもの「心が動く」を感じ取れる「動く心」を自らに備えることが必要になります。本授業では、この「心が動くからだ」を身につけることを目的に、総合的・網羅的に体験を準備してくれる自然豊かなフィールドに赴いて学びを進めて行きます。
「保育者養成基礎演習Ⅰ」
保育者養成基礎演習1では、保育者としての基本的な素養と構えを身に付けることを目指します。本学では、2年次より幼稚園実習や保育所実習が順次始まりますが、その前に現場に入る準備として、この授業を通じて幼稚園や保育所に観察実習に入ります。観察実習では、子どもとふれあい、理解を深めるということだけではなく、これから保育者として成長していくために、現役の保育者の動きや仕事のやり方についても学んでいきます。

2年次

「保育内容の理解と方法Ⅱ」
1年次の「保育内容の理解と方法㈵」の授業の中で作成したパペット(手人形)、及び保育現場でのグループごとの保育実技の実践を踏まえ、2年次には子どもの実態を捉えながらグループごとに人形劇の創作及び保育現場での実践を行います。子どもたちの前で演じることの難しさと楽しさの両方を経験しながら、保育内容を充実させることの意義や方法を学びます。
「幼稚園実習特講」
初めての実習である教育実習㈵(幼稚園)が充実した学びにするための準備と振り返りを行う授業です。事前指導では、子ども理解、実習記録の書き方・活かし方、保育実技、指導計画の立案・実践など、保育者としての専門性の基礎を学ぶとともに、社会人としてのマナーなど、人間性の向上につながる学びも行います。事後指導では、実習全体を振り返り、次の実習や大学での学びにつなげていきます。

3年次

「保育実習指導I・Ⅱ」
「保育実習」の実施前後に学ぶ保育士資格取得のための必修科目です。「保育実習㈵」や「保育実習㈼」に向かうための準備(実習事前学習)と、各実習実施後の振り返り(実習事後学習)を通して、保育士となるために必要な自己課題を見いだしていきます。また「保育実習指導I」ではさまざまな児童福祉施設の種別特性を学び、「保育実習指導Ⅱ」では「保育実習㈵」の体験を基盤にして更なる学びの深化を図ります。
「児童学専門演習I・Ⅱ」
様々な学問が重なりあって成り立っている「児童学」について、教員それぞれの研究領域に触れながら考えていくのが「児童学専門演I・Ⅱ」になります。児童学専攻では、保育士資格と幼稚園教諭免許が取れるため必修科目も多いですが、ここでは自分の興味、関心のあるテーマに応じて教員を選びます(ゼミを選択)。そして自ら問いを立て、その問いについて学生同士で討論したりいろいろな方法を駆使したりしながら検討していきます。

4年次

「卒業研究」
 卒業研究は児童学科における学びの集大成です。現場実習やボランティア活動等の経験、さまざまな専門的な授業での学びを踏まえ、自分自身の研究テーマを設定します。そこでの問いを明らかにするために、データを収集し、分析・考察を通して、結論を導き出します。オリジナリティあふれる創作活動に取り組む学生もいます。発表の場であるの卒業研究発表会では、活発な意見交換が行われます。学生にとって、主体的に研究に取り組んだ経験は、自信になると同時に、社会人になっても学び続けることの大切さを実感することになります。
「保育実習(アドバンス)」
 保育士になるために必要な実習である保育実習㈵・㈼の学びを踏まえ、保育現場での学びをさらに深めたい学生のために開講されている実習科目です。保育所、または福祉施設のどちらかを選ぶことができます。例えば、子どもを主体とした保育環境づくりの方法や、子どもの個別課題解決に向けた児童館の役割など、テーマを設定し、保育士の高度な専門性について追究することを目的としています。

児童教育専攻

小学校教諭、中学校理科教諭を目指す

1年次

「児童学基礎体験演習Ⅰ・Ⅱ」
ひとに教える、ひとに学んでもらう仕事、そこに向かう第一歩として「基礎体験演習」のⅠ・Ⅱを1年次に取り組みます。一つは大学屋上の菜園での栽培体験や、地域社会と連携してのアダプト事業への参画。それは、植物を育てることを通して、育ちゆく相手に寄り添うあり方を身をもって考える体験活動です。また、ひととつながる・お互いのために動くことを考える体験活動でもあります。その活動は、社会のなかでボランタリーに活動するⅡへと展開していきます。
物化生地、理科各領域の基礎や実験科目群
物理・化学・生物・地学、小学校や中学校の「理科」で児童生徒が学ぶ自然科学に関する各専門分野の学習です。ここでは、〈教わる立場〉から〈教える立場〉へ、自分自身の理科教育への理解をたどり直すだけでなく、今度は、それを教えていく・学ばせていくために、あらためて学んでいくことになります。

2年次

「児童学基礎体験演習Ⅲ」
ひととつながりながら、社会のなかでボランタリーに動くⅠ・Ⅱを受け継ぎながら、発展させていきます。このⅢでは、さらに、異学年と組むことで、自分の経験と学びをひとに伝え分かち持つことを目指した体験活動となります。自分の経験からの学びを、ひととのつながりのなかで、さらに学びとして深めていくための重要な演習科目です。
各教科の教育法
中学校は理科について四段階で、小学校は国語・社会・算数・理科・生活・音楽・図画工作・家庭・体育・外国語の全10教科ともに、それぞれの教科の理念や原理を学ぶ「教育法」をすべて押さえていきます。
(2~3年次で、これら10教科について「指導法」もあわせて履修します。)

3年次

「小学校総合演習Ⅰ・Ⅱ」
年間を通じて、公立小学校への参与観察を中心に展開する演習科目です。毎週一回、定期的に、授業見学や観察、支援に入りながら、学校のイマを体験的に学んでいきます。授業での児童生徒の学びはもとより、四季折々の各種行事や年間のクラスの移ろいを目の当たりにし、学校生活全体を体感していく体験型の学びです。
その学びは、教職専門として本格化する各科目の学びを裏付けたり深めたりする軸となり、また、4年次の教育実習の基礎となる、重要な科目です。
(※中学校教職課程は3年次冬季に教育実習を予定しています。)
「中学校教育実習」
中学校は教科担任制です。児童教育専攻では、中学校理科の教員免許を取得するために3年次の終盤に教育実習が用意されています。児童学科ならではの、ただ教えるのではなく、児童生徒の思考や学習に焦点付けた授業や学習のあり方を実習を通して考えていきます。
(※中学校の免許を取得する者は、必ずあわせて小学校教員免許の取得を義務とします。)

4年次

「小学校教育実習」
いよいよ、「教育実習」として、ここまでの学びを総括して体現します。観察・支援・授業と四週間かけて教職や授業実践の理解と体験をめざします。それはまた、到達点であると同時に自分の課題を見出して向き合う、通過点です。実習前後の「実習特講」をまじえながら、そして、4年後期の「教職実践演習」へと結んでいく児童学科での4年間の学びのクライマックスだといっても過言ではないでしょう。そして、将来の教職へのまさしく第一歩なのです。
「卒業研究」
卒業研究は児童学科における学びの集大成です。現場実習やボランティア活動等の経験、さまざまな専門的な授業での学びを踏まえ、自分自身の研究テーマを設定します。そこでの問いを明らかにするために、データを収集し、分析・考察を通して、結論を導き出します。オリジナリティあふれる創作活動に取り組む学生もいます。発表の場であるの卒業研究発表会では、活発な意見交換が行われます。学生にとって、主体的に研究に取り組んだ経験は、自信になると同時に、社会人になっても学び続けることの大切さを実感することになります。